Xperia 1 Vはソニーが作るXperiaシリーズのハイエンドモデルで、非常におすすめのスマホです。
歴代のXperiaシリーズらしさを踏襲した上で、最新の技術をしっかりと詰め込んだフラッグシップモデルとなっています。
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Xperia 1 V/Xperia 1 V Gaming Editionのスペック 発売日 2023年6月16日 画面サイズ 6.5インチ 本体サイズ 幅:71mm
高さ:165mm
厚さ:8.3mm重さ 187g アウトカメラ 超広角:1,200万画素
広角:4,800万画素
望遠:1,200万画素インカメラ 1,200万画素 バッテリー 5,000mAh RAM 12GB
16GB(SIMフリーのみ)ROM 256GB
512GB(SIMフリーのみ)CPU Snapdragon 8 Gen 2 認証 指紋認証 防水・防塵性能 IPX5/IPX8・IP6X カラー ブラック
プラチナシルバー
カーキグリーン(SIMフリーのみ)
こちらの実機に触れる機会がありましたので、詳しくレビューしていきます。Xperia 1 Vを検討されている方はぜひご覧ください。
Xperia 1 Vの発売日・価格
Xperia 1 Vは2023年6月16日に発売されたXperia 1シリーズ最新のスマートフォンです。
Xperia 1 V/Xperia 1 V Gaming Editionのスペック | |
---|---|
発売日 | 2023年6月16日 |
画面サイズ | 6.5インチ |
本体サイズ | 幅:71mm 高さ:165mm 厚さ:8.3mm |
重さ | 187g |
アウトカメラ | 超広角:1,200万画素 広角:4,800万画素 望遠:1,200万画素 |
インカメラ | 1,200万画素 |
バッテリー | 5,000mAh |
RAM | 12GB 16GB(SIMフリーのみ) |
ROM | 256GB 512GB(SIMフリーのみ) |
CPU | Snapdragon 8 Gen 2 |
認証 | 指紋認証 |
防水・防塵性能 | IPX5/IPX8・IP6X |
カラー | ブラック プラチナシルバー カーキグリーン(SIMフリーのみ) |
メモリ12GB/ストレージ256GBのモデルと、SIMフリーモデル限定のメモリ16GB/ストレージ512GBの2種類がラインナップされています。
各キャリア・ショップでの価格は以下の通りです。
キャリア | 容量(RAM+ROM) | 価格 | 割引適用時 | 購入 |
---|---|---|---|---|
ドコモ | 12GB+256GB | 218,680円 | 138,160円 | 公式サイト |
au | 210,240円 | 133,400円 | 公式サイト | |
ソフトバンク | 154,368円 | 80,784円 | 公式サイト | |
12GB+256GB Gaming Edition | 198,000円 | 108,000円 | ||
ソニーストア | 16GB+512GB | 179,300円 | - | 公式サイト |
Xperia 1 Vの外観・デザイン
ここからはXperia 1 Vの外観を見ていきたいと思います。
パッケージングから細部に至るまで、写真をもとにレビューしていきます。
パッケージ
こちらがXperia 1 Vのパッケージです。
2021年から採用されている環境配慮型のパッケージが、こちらのプロダクトにも使われています。
他メーカーと比べてシンプルで飾り気のなさが好印象です。
付属品はなく本体のみのパッケージングとなっており、充電器やケーブルは必要に応じて別途購入することになります。
本体デザイン
カラーリングは全3種類です。
- ブラック
- プラチナシルバー
- カーキグリーン(SIMフリーのみ)
主要3キャリアでの取り扱いはブラックとプラチナシルバーのみとなっており、カーキグリーンはSIMフリーモデルのみです。
もしカーキグリーンを購入したい場合は、ソニーストアや家電量販店を利用しましょう。
なお今回のレビューで使用している端末はプラチナシルバーです。
Xperiaらしい21:9の縦長ディスプレイで、全体的にすっきりとしたデザインです。
ベゼルはかなり狭いため、フロントカメラによって画面が圧迫されることがなく広々しています。
裏面には機能性触覚デザインを採用したフロスト強化ガラスを使用しています。
触り心地はサラサラとしており、指紋は全くつきません。マットで品のある質感はまさにフラッグシップといった印象です。
カメラは超広角・広角・望遠の3種類がついています。
筆者が普段使用しているiPhone13 miniのカメラと比較して突起が小さいため、デザイン性を損なうこともなさそうです。
とはいえ完全なフラットではないので心配な方はケースを使用することをおすすめします。
フレームはアルミ素材で、細かい溝がついています。滑りにくい上かなり質感が高いです。
右側面のボタンはカメラ側から音量調節ボタン、電源ボタン、シャッターボタンの3つです。
音量ボタンはシーソーのようなイメージで、押す場所によって判定が異なります。
電源ボタンには指紋認証が埋め込まれており、触れるだけで画面のロックが解除されます。
反応は早く、ストレスを感じることはありませんでした。
シャッターボタンは端末を横持ちした時に人差し指がかかる部分にあり、コンデジのシャッターにも似たポジションです。
カメラメーカーであるソニーが作るXperiaらしさを感じました。
このボタンを長押しすることでカメラアプリが素早く立ち上がります。
後述するゲームモードでは、シャッターボタンにスクリーンショット機能を割り当てることも可能です。
ボタンひとつひとつの質感が非常に高く、特にシャッターボタンには細かい滑り止め加工までされている点に好印象を抱きます。
上部にはイヤホンジャックがついています。
スピード重視のゲームやリズムゲームなど遅延が気になる場面では、有線イヤホンに切り替えて楽しめる仕様です。
最近はイヤホンジャックを廃止するスマホが増えていますが、最新機種でも採用を継続してくれるところにソニーらしさを感じます。
下部にはUSB-CポートとSIMカードスロットがあります。USB-CはPD対応の30Wで、急速充電が可能です。
SIMカードスロットにはmicroSDカードを挿入することもでき、最大で1TBまで追加可能なので大容量の運用も安心です。
Xperia 1 Vのディスプレイ
Xperia 1 Vのディスプレイは4K・120Hzの有機ELです。
解像度4Kのディスプレイを持つスマホは、2024年現在Xperiaのハイエンドモデルのみとなっており、スマホとは思えない圧倒的な解像度が楽しめます。
高級テレビ「BRAVIA」の技術力を持つソニーだからこそ生み出せるディスプレイなのかもしれません。
リフレッシュレートは120Hz、一秒間に120回画面を更新できるため、FPS等のゲームではかなりのアドバンテージとなります。
輝度は前モデルのXperia 1 IVと同程度で、周囲の明るさに合わせて自動で調節することで画面の見やすさと省バッテリーを両立しています。
試しに昼間の屋外で使用しましたが、画面が見づらいと感じることはありませんでした。
画面自体は有機ELディスプレイでHDR機能がついています。
有機ELディスプレイならではの黒の再現度の高さもあり、多くのスマートフォンの中でもかなり優秀だと感じました。
Xperia 1 Vはソニーのカメラ等に接続して外部ディスプレイとして使用することも可能です。
映像の細部まで非常に見やすく、外部ディスプレイとしても非常に優秀です。
有機EL・4Kかつ品質の高いディスプレイで、いつでも映画やゲームなどのコンテンツが楽しめるのはXperia 1 Vならではの魅力です。
Xperia 1 Vのサイズ・重さ
サイズは縦横厚みが約71mm×約165mm×約8.3mmと、かなり大きいです。
筆者のような成人男性でも、片手で握り込むことはできません。
特に画面の上の方には片手では届かないので、両手で持って操作することが多くなるように感じます。
一方で、厚みは8.3mmとかなり薄いためポケットに入れても全く違和感はありません。
ケースをつける場合、個人的にはあまり厚みがないものをおすすめします。
重量は185gで、筆者が普段使っているiPhone13 mini(140g)よりも重いはずなのになぜか軽く感じました。
薄くて大きい本体形状によって重さが分散し、軽く感じるのかもしれません。
この軽量性は、映像系のクリエイターがジンバルやリグに付ける外部モニターにもうってつけ。
通常の外部モニターより軽い上、解像度が4KのXperia 1 Vはかなり利便性が高いと感じました。
Xperia 1 Vのカメラ性能
ではここからは、Xperia 1 Vの目玉の一つとなるカメラ性能についてレビューしていきます。
カメラのスペック
Xperia 1 Vはメインカメラを3種類搭載しています。
- 超広角:16mm f1.2 約1,200万画素
- 広角:24mm f1.9 約4,800万画素 Exmor T for mobile 1/1.35型センサー
- 望遠:85-125mm f2.3-2.8 Zeiss Tコーティング 約1,200万画素
中でも特筆すべきは、広角に搭載されている1/1.35型センサーと望遠ズームレンズの2点です。
広角カメラの約4,800万という画素数は、一般的な一眼レフカメラよりも高画素です。
一方で記録サイズは1,200万画素と、他のカメラと同程度なので注意が必要です。
センサーサイズは前機種Xperia 1 IVと比較して1.7倍に大型化しています。
これによってボケが大きくなったり暗所性能が強化されたと考えられます。
実写レビュー
実写には標準搭載のカメラアプリ「Photography Pro」を使用していきます。
このアプリはサッと出してパシャっと撮ることもできますが、全てをマニュアルにして細かく設定することもできます。
一眼レフなどを持っているカメラマンも思う存分設定を詰められる嬉しいアプリです。
昼間の撮影
まずは昼間の撮影です。被写体は変えず、カメラのみを変えながら状況をみていきます。
超広角
超広角ではかなり広い範囲を撮ることができます。
キレも良く、歪みに関してもスマートフォンのカメラの中では軽微なレベルだと感じます。
広角
広角で撮影すると、さすがは1/1.35型のセンサーという画質で驚きます。
真昼間の屋外にもかかわらず、ほとんどの場合で黒潰れは起きませんでした。
非常にキレも良く、すっきりとした写真が撮れる印象です。
Xperia 1 Vのカメラは「見たままの質感を再現」することにこだわっていますが、まさに「見たまま」の印象を受けました。
画像引用元:Xperia 1 V|ソニー
望遠機能としては85-125mmの光学ズームが搭載されています。
一般的なスマホカメラのズームはデジタルズームであり、撮影した画像を後から拡大するような機能なので画質が劣化して粗くなりがちです。
しかしXperia 1 Vの光学ズームは、レンズを使用してズームするため画質が劣化しないという強みがあります。
望遠 85mm
まず85mmでの写真をみていきます。先ほどの広角と比べてかなり寄った写真が撮れました。
離れた場所から撮影する際は、光学望遠が大活躍しそうです。
望遠 125mm
125mmまで拡大してみました。85mmと比べて階段やレンガなどの細かい部分をより鮮明に捉えています。
一般的にはズームするほど画質は劣化しますが、筆者の印象では125mmの方がより綺麗に撮れているように感じました。
F値が変わらないズームなのでさまざまな撮影シーンで使いやすいレンズです。
超広角
ここからは逆光を見ていきます。超広角・逆光で撮影しても、仕上がりはそこまで悪くないようです。
陰になっている部分も黒潰れは少なく、木の幹のテクスチャもはっきりと見えています。
広角
広角では超広角よりも逆光が少し柔らいだ印象です。
逆光に被る部分は少し淡くなってしまいますが、解像感は非常に高いといえます。
望遠 125mm
さすがZeissコーティングというところでしょうか、驚いたのは125mmです。
125mmは最も拡大した状態ですが、葉っぱの一枚一枚までしっかりと描写しています。
このような逆光を好んで撮る人はなかなかいないと思いますが、Xperia 1 Vのカメラ性能の高さが実感できる撮影シーンでした。
夜間の撮影
次に、夜間の撮影をみていきます。
超広角
まずは超広角です。夜間ということでかなり暗い状況でしたが、鮮明に撮ることができました。
超広角は風景写真に適しており、特にXperia 1 Vの超広角カメラは解像度が高いため使いやすいですね。
広角
次に広角の写真です。1/1.35型センサーの暗所での強さが顕著に出ている写真になりました。
先ほどの超広角と比べて淡い影の部分や波の細かさ、観覧車の柱の一本一本など、かなりキレよく写っていることがわかります。
手前の手すりの前ボケも綺麗に出ており、一眼レフに非常に近い写真が撮れていると思います。
望遠 125mm
最後に望遠125mmです。
超広角と比べると画角にかなりの差があり、同じスマートフォンで撮ったとは思えないような写真になりました。
船の細いロープまでしっかり撮れていることがわかります。
画質の低下は否めませんが、スマートフォンでここまで撮れる点に驚きを隠せません。
動画でもカメラ性能を活かせる
Xperia 1 Vでは、これらのカメラ性能を動画でも活用することができます。
Video Proというアプリを使うとPhotograpy Proと同じく難しい設定なしでも撮影できますし、もちろんマニュアル設定でも撮影可能です。
またXperiaシリーズで初めてS-Cinetoneを搭載しており、シネマルックな美しい映像を撮ることもできます。
さらに、同じく動画撮影アプリとしてCinema Proというアプリも搭載しています。
より詳細な設定をしながら撮影したい方はこちらのアプリがおすすめです。
Xperia 1 Vのスペック・処理性能
画像引用元:Xperia 1 V|ソニー
CPUにはSnapdragon 8 Gen 2を搭載しています。
Android端末の中でも各社のフラッグシップモデルで採用されている高い処理能力を有するチップです。
Xperia 1 Vのカメラに高画素センサーが搭載できるのは、このチップのおかげでしょう。
SNSや動画の視聴など、通常の使用ではラグや処理落ちなどが発生せず非常に快適に使用できます。
画像引用元:Xperia 1 V|ソニー
また、Xperia 1 Vでは大きな画面を分割して2つのアプリを立ち上げることも可能です。
このモードを使用した場合でも、上下両方のアプリを交互に使用してもサクサクと動いてくれました。
ゲームでの使用
画像引用元:Xperia 1 V|ソニー
Xperia 1 Vはハイエンドスマートフォンとして、ゲーミング性能にも注力したモデルです。
ゲームアプリを立ち上げるとゲームエンハンサーというゲームモードの処理機能が立ち上がります。
このモードではパフォーマンス優先やエコなど、ゲームに合わせた処理モードが選択可能です。
ゲーミングPCに搭載されているソフトウェアに近しい印象です。
実際に「パフォーマンス優先」で使用してみたところ、チップがあるとみられる本体上部がかなり熱くなりました。
ゲームの負荷に合わせてモードを変えられるのはゲーマーとしてありがたい機能です。
昨今のスマホゲームの中でも最も負荷が高いと評判の『原神』をプレイしてみました。
このゲームは据え置き機やPCでプレイするようなゲームですが、ラグやストレスを感じることなく楽しめました。
現状リリースされているスマートフォン向けゲームなら、どれを選んでも間違いなく楽しめるスペックだと感じます。
また、画面が大きいので、キャラを動かしたり視点を動かした時の視野の狭さによるストレスもありませんでした。
21:9の画面に対応しているゲームでは大きなアドバンテージだと思います。
Xperia 1 Vのバッテリー持ち
画像引用元:Xperia 1 V|ソニー
バッテリー容量は5,000mAhと、フラッグシップかつクリエイター向けスマートフォンの中でも大容量です。
ソニー独自の機能としては、バッテリー寿命をのばすいたわり充電を搭載しています。
スマホのバッテリーを満充電(100%)の状態で充電し続けると、バッテリーが徐々に劣化していくことが知られています。
Xperia 1 Vではいたわり充電機能によって80%を維持するため、バッテリーが劣化しにくいのがメリットです。
またおすそ分け充電機能を使うと、Xperia 1 Vからイヤホンなどの機器へ送電することもできます。
実際に日常的な利用方法で1日使用してみましたが、大容量のバッテリーなので全然減らなかったことに驚きました。
Snapdragon 8 Gen 2の電力効率が上がったことも、バッテリー持ち向上を後押ししていると感じます。
また『原神』を最大輝度で1時間ほどプレイしてみましたが、バッテリーは15%程度しか減りませんでした。
外出先で空き時間にゲームをする程度の使い方であれば、バッテリー切れの心配はなさそうです。
Xperia 1 Vのメリット
実際にXperia 1 Vを使用してみて、さまざまな面でメリットがあることがわかりました。
筆者が感じたXperia 1 Vのメリットは以下の通りです。
- 優秀なカメラで高品質な撮影が可能
- 21:9の大画面で4K・120Hzの映像体験ができる
- 最新CPUで重いゲームまでサクサク動作する
- カメラ・ゲームなどXperia専用のアプリが素晴らしい
1/1.35型という大型センサーを搭載したカメラは、現在販売されているスマートフォンの中でもかなり優秀です。
また大型ディスプレイが使いやすく、YouTubeやNetflixのような動画コンテンツが快適に楽しめました。
専用アプリとしては撮影アプリだけでなく、動画編集の「Video Creator」も搭載しているため、簡単な動画編集ならスマホだけで完結できます。
パワフルな処理能力を備えながらカメラなどの強みもしっかり押し出しており、非常に完成度の高いプロダクトだと感じました。
Xperia 1 Vのデメリット
- 適切だが高い金額
- クリエイターでなければ機能を使いきれない
- 画面が大きいため手の小さい人には使いづらい
一方、最も大きなデメリットは金額だと感じます。
最も安価なモデルでも約20万円と、ノートPCが購入できるほど高価なスマートフォンです。
高機能かつ高性能なので妥当な金額ともいえますが、気軽に買い替えられるような価格ではありません。
またクリエイターなどニッチな層に向けた機能が多く、一般的な使用範囲ではどうしてもオーバースペックになりそうです。
大きなディスプレイもメリットは大きいのですが、画面のサイズが大きいため手の小さい方にはお勧めしづらいポイントでもあります。
クリエイターや写真が好きな方へおすすめ
画像引用元:Xperia 1 V|ソニー
Xperia 1 Vは非常に高性能なスマートフォンでした。
カメラ・ディスプレイ・オーディオ・ゲームや映像など、ソニーが培ってきたあらゆる技術を集約したようなプロダクトです。
とはいえ大衆向けではなく、カメラマンや動画クリエイターなど撮影にこだわりがある人に向けて作られているようにも感じました。
クリエイターやクリエイターを目指す方、本格的な撮影に興味がある方などには、ぜひおすすめめしたいスマートフォンです。